人の数だけライフワークは様々。今回の思考の外側は宮沢賢治のグズコーブドリ伝記のグスコーブドリと有機農業と執筆を生業とされている鎌田さんにフォーカスして作りました。時間の経過をシャツと共に感じられるインディゴシャンブレーは日常に使いやすい。洗濯をすると硬さが少し取れ、適度なシワが入る。このシャツについての経緯は下記に記載したデザイナーの中村さんの文章をぜひご覧ください。
※着用写真のシャツは一度洗いをかけています。
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今回のフォーカスはグスコーブドリという事でしたが、やはり作者の宮沢賢治という人物を見過ごす事は出来ませんでした。私には宮沢賢治はイタコラッパーという印象があります。実はブドリたちも初めからどこかに在り、宮沢賢治という媒介を通しようやく表出したというのは大げさな妄想でしょうか?たくさんの出会いと学びを得たグスコーブドリは最終的に世を去りますが、賢治は物語の最後にこう綴りました。-たくさんのブドリのおとうさんやおかあさんは、たくさんのブドリやネリといっしょに、その冬を暖かいたべものと、明るい薪で楽しく暮らすことができたのでした-つまり私たちもまたブドリだという事です。ではどんな服をと考えた時、ブドリたちがそうであった様に、それは日々を懸命に生きるという事でした。依頼者の鎌田さんは農業を営まれているという事で、そういった現場でも活かせるような日常着を製作しました。ゆとりのある立ち襟は、暖かな日には襟を倒してみたり袖を捲ったり。風を感じることがあれば襟を小さくたたみ、裾を絞るのも良いでしょう。喉を潤す飲料などは腰のポケットに携えても良い。観察の経過を、生き物と交わした思考を、書き留める道具をしまっておくことも出来る。そうした様々な景色、環境を生活し、私たちがいなくなってもまた次のブドリたちへ繋がるよう。
風景やみんなといつしよに
せはしくせはしく明滅しながら
いかにもたしかにともりつづける
因果交流電燈の
ひとつの青い照明です
(ひかりはたもち その電燈は失はれ)
宮沢賢治「春と修羅 序」より
(text by un/unbient)
<サイズ>
1 : 身幅 61cm / 肩幅 47cm / 袖丈 60cm / 着丈 74cm
2 : 身幅 63cm / 肩幅 48cm / 袖丈 61cm / 着丈 77cm
3 : 身幅 65cm / 肩幅 49cm / 袖丈 62cm / 着丈 80cm
<モデル>
172cm/サイズ3を着用。
<素材>
COTTON 100%