suzusan
”はじめまして”なので、どうしても長くなりそうです、どうぞ脇におやつでも(もしくはアルコールでも)置いてお付き合いください。2年ほど前にパリのパサージュという簡単に言うとアーケードのある商店街の様な空間をブラブラと歩いていると、ガラス越しにストールがツラツラと並べられていたのを見た。まだオープンはしていなかったので、ガラス越しに額をつけて覗いた。そこでsuzusanという名前を初めて知る事になった。その時は日本で作られているとは知らず、美しい色と心地良さそうな生地にただただ吸い込まれた感じだったのを覚えている。それから数年後、ありがたいご縁がありご紹介できる事となりました。
名古屋・有松という小さい街とドイツ・デュッセルドルフを拠点に展開をしているsuzusan。前進である鈴三商店は400年以上に渡り、染色技法である有松鳴海絞りを営んでおられます。その絞りの技法をルーツとし叡智を受け継ぎながらアーバンなデザインを感じられるブランドとして世界に展開しています。伝統的で美しく土地に根付く物は愛され続け、受け継がれるべきもので、通りすがりに心惹かれ立留めさせる程魅力なモノはそうそうない。
先月の気が遠くなりそうな程の暑い日に有松を訪れました。小さな街は私の知る京都でも奈良でもない古い街並みが続いていて、その中にsuzusanはある。工房を見せていただける事になった。少し前まで使われなくなった銭湯で染めをしていたと聞いた。そこも見てみたかったなっと思いながら工房まで歩いた。お風呂?というよりサウナの様な湯気が上がる窯で染めは行われていた。その横で生地を糸で巻きつけて染める準備をしていた。出来上がるまでの工程を見る前に聞いてはいたけれど、実際見るのとでは、感じ方が違う。やはりその背景には人を感じる事が出来た。
ふと、その工房には若い人が多い事に気づく。熟練のお年を召した人が殆どだと思い込んでいたので、少し驚いた。とても生き生きとして見え、なんと言って良いかわからない気分になった。suzusanは”風通しの良いデザインを心がけている”と聞いた。工房から出たら、先ほど染めていたストールが物干し竿に干されて風に靡いていた。先程のなんと言って良いかわからない気分は、この風通しの良い気分だという事に気付かされた。
さて、メリノウールで出来たニットは1枚でも良いし私たちはインナーとしても良いのでは?と考えております。この綺麗な色のストールや洋服を思い思いに好きな様に着て纏って欲しいです。では、商品については、後日ご紹介いたします。まずは店頭にてご覧ください。