先に紹介したパンツと、同じ生地のジャケット。(生地についてはパンツの記事をご覧ください)こちらは、カーディガンの様にラフに羽織れるジャケットです。カーディガンの作りの様なジャケットという方が正しいのかな?色々と考えすぎると頭の思考が絡まる時がある。その時に深呼吸して頭の中を無にしたら良いと聞いたことがある。でもどこかしらで、あ、冷蔵庫の中の牛乳、賞味期限大丈夫かな?なんて事が頭の中にやってくる。”無”だ、”無”だと再び深呼吸。数秒すると、あ、段ボール捨てなきゃ。とか。頭の中は本当に色々と日常に支配されている。ふと、いや、それで良いのではないか?と思った。カーディガン?ジャケット?何と合わせる?丈はどうだろうか?似合うかな?映画を見に行く時に着る?今度の打ち合わせの時に着る?こんなイメージで着たいなーって。そんな事考えるのが楽しかったりするわけで。それは、自分ごとで。自分が着たい様にあれこれ考えて。このジャケットを自宅に持ち帰った後、そんな楽しみを久々に味わって見るのは良いのではないでしょうか?
時々、気を抜きたくなる事がある。職場も自由になってきたけれども、スウェットというわけにもいかない。そんな声を聞く。なんでも良い訳ではない。出来れば気に入った物を身に纏いたい。なぜならその日のテンションが変わるから。テンションが上がりっぱなしというのも疲れるけれど、決して落としたくはない。絶対に。なぜならその日のテンションがやっぱり変わるから。なんとまぁ、ヒトというのは勝手な生き物なのでしょう。さて、このパンツの説明です。サイドに切り替えがなく、センタープリーツの様に縫い目が前にきているので色々と騙される。サイドがすっきり見え、センターに筋が通ると足がすらっと綺麗に見える。それに程よく太いがその”騙し”ですらっと見える。ウエストのバッグがゴムなのも動きやすく良い。そして私は知っている。この手のパンツは頻度高く穿く事を。
他には無いデザインと雰囲気が楽しいPROJECT by HのEDEN。初めてデザイナーと会った時に穿いていてどうにも気になって仕方なくなり、今では自分でも週に何回か穿く程好きになった。股上はとても深く大胆なパターン。普通のデニム2本分位は生地を使っている。さらに今回は16.5ozとかなり重たい。初めはハリが強いが馴染むととても綺麗なシルエットになる。非常に濃いインディゴブルーは育て甲斐もあり風も通さないので真冬も問題なく穿けるでしょう。フロントは石の削り出しボタン、トップのみボタンホール仕様でそれ以下はループで留める。前々回は全てボタンホールだったが、あまりの硬さに開け閉めが容易では無かったので、改良されたと推察する。他にも色々あるが、書ききれないので実際に見て楽しんで欲しいパンツだ。見れば見るほど、穿けば穿くほど発見のあるデニムだ。
この柄は金継ぎからインスピレーションを得て出来たそうで、色の切り替えの表情が見事だ。時折、洋服を見て鳥肌が立つことがある。様々な要素(デザイン、生地、作り、コンセプト、そして人….)が混ざってピタッと止まりグサっと胸にきた時に体にゾワゾワっとその現象が起こる気がする。これを初めて見た時も同じ様にゾワゾワっとした。フレンチメリノウールで編まれていてとても柔らかく、とろりとしている。ケーブル柄に突如現れる色の切り替えが大胆に施されているのに、上品に見える。聞くと、これは手編みでしか出来ないそうで施すのは凄い技術がいるらしい。それを語るデザイナーからニッターさんへの敬意と、人となりを感じられるなんとも暖かい気持ちになるニット。色合わせも絶妙でオレンジに焦点を当てた時とベージュ に焦点を当てた時との印象が変わるのが面白い。合わせるパンツや上に羽織る物でその時の気分を表現してみてはどうでしょう。
少し細く立体的なアーム、それはまるでレザージャケットを思わせるフィッティング。何度も着ている内に自分の体の形になり、とても着易くなるでしょう。定番的に展開している”ZION”というモデルはフーデッドデザインのジャケット。楽しみだったのは普通はあまり使われることの無い16.5ozのデニム素材。ズッシリしていて着応えがある。そして分厚い。馴染ませるには少し時間がいりそうだが馴染んで色が落ちていく事を想像すると自然と顔がほころんでいた。今回は裏地が付いており、裾から少し見えるデザインで視覚的に中にシャツを着ている様にも見える。インディゴデニムとは不思議なもので、どれだけ持っていても欲しいと思ってしまう、そんな話をお客様と店頭でしていた。同じように思ってしまう人はきっと、デニムを育てるという行為が好きなのでは無いでしょうか。
色というのはとても曖昧で、光の当たり具合で違う色に見える事はないでしょうか。光が無ければ色が無くなり、光があって初めて色が浮かび上がる。このRADIENTは墨を使い手染めされたシャツで所々ムラがあり見る角度や昼夜で印象が変わる、とても奥行きのある墨色。また、手染めの為初めから一点一点染まり方が多少違い着用の仕方や頻度によって数年後の変化(褐色)を楽しめるシャツ。そして削り出しの石のボタン、独創的な設計や縫製仕様。ごくシンプルなシャツに見えるかもしれないが、細かく見ていくと時間が経つのを忘れてしまいそうになる。このシャツは自宅でジッと見つめる事も、実際に着る事も楽しめるでしょう。
自分を甘やかしてしまうパンツがある。それがイージーパンツだ。ウエストはゆとりを持って作られていてドローコードで絞る。つまり体が大きくなっても入ってしまうのだ。コモリのドローストリングパンツは程良くテーパードが効いていて一見スラックスの様にも見える。ウエストにはドローコードと今回からゴムが入り紐を解いてずり落ちる心配が無くなった。素材はスタンドカラージャケットと同じウールフラノでセットアップで着ても決め過ぎない感じで良い。そして軽さとトロみが心地良いパンツだ。つい手に取ってしまうパンツになりそうだ。
今回のコレクションのコンセプトでもある、おお!って感覚(突然ここには無いはずのもが現れた時に感じる感覚)を同じ色、生地で表現されたのがこのニット。本来なら、裏にくる部分が表にきていたり、処理される糸がそのままになっていたりしている。花器を敢えて割り不完全な状態にして飾ったり、本来使われることのない魚を取るための籠を花器としてみたてた千利休という人がかつて日本にはいた。不完全な物を見ると違和感を感じるかもしれないけれど、同時にその美しさを感じる事はないだろうか?不完全だからこそ最終的には受け手に委ねてくれる部分が多くて、違和感を感じるからこそ好きになる事がある。要するにこのニットにはわびさびを感じるのだ。という事で、このニットは色々と違和感があり、それに気付く度にちょっとウフフってなる。そしてニットだからなのか、不完全なデザインだからなのか人の温かみの様なものを感じる。だからKota Gushikenのニットは着たくなるのかもしれない。キッドモヘアをベースにナイロンとウールで編み立てている。モヘアのフワッとした軽さが心地良く着心地も良い。光に当てると少し透けるほど薄く、中に着る物で変化を付けてみても面白い。
ボタンを開ければ2人が離れて、閉めると2人が重なる。店頭で見られた方が『ずーっと家にいて、モヤモヤしてて、このカーディガンを見て凄く刺さりました。』と仰られていた。そのカーディガンの名前がThe Social Distancing Kiss。グスタフ・クリムトの接吻という絵画を元にデザイナーが絵を描き、それをデータ化し製作されたニットカーディガン。接吻は煌びやかで色も多く、表現する事自体が大変だったのではないかと思う。そしてモヘアのシャギー感がなんとも言えない雰囲気を出している。着るだけで主役になるカーディガンなので、シャツでもカットソーでも自由に合わせて楽しんで欲しい。家でも外でも。
トレンチコートに憧れる。いつか似合う人になりたいと思いながら、中々思う様にはいかない。それは年齢かもしれないし、体型かもしれない。または培ってきた人生の厚みなのか。答えが出る事は無いが、トレンチコートには何故か憧れる。seya.の新型のコートはそんなトレンチコートを原型に作られている。襟とエポレットをあえて排除しスッキリシンプルな趣である。素材にはメリノウールを使い、暖かく滑らかな表情だ。ゆったりとした作りだが、生地の重みでドレープが生まれ美しい。服自体の重みはあるが着ると全く感じない。設計が絶妙なのだ。そしてフロントが二重になっており、寒い時に留めると風の侵入を防ぐ事が出来る。開けても閉めても美しいseya.らしいトレンチコートである。
よし、今日は少し気合いを入れよう。そんな時はseya.のシャツをよく手に取る。袖を通すだけで背筋が伸びる様な気がするからだ。今日は少し疲れているからラフにいこう。そんな時にもseya.のシャツを着る。砕けた格好の時にも程良くキッチリした感じが出せるからだ。細番手の糸を高密度に織り上げたMICRO BRUSHED COTTON。ハリがあって滑らかな肌触り。素肌に気持ちの良い素材。縫製はとても美しく、肩や襟付けなど部分的に手縫いで仕立てられている。カフスの裾部分は切りっぱなしに見間違えるほどキワキワに縫われていて初めて見た時はビックリした。瀬谷さんの作るシャツは凛としながらも優しい。自分自身に合わせてくれている、そんなシャツだと思っている。
動きやすくて暖かく、吸湿性や吸汗性に優れた洋服。自宅にいる時やどこかへ出かける時にも使う事が多い。生活に欠かせない洋服の1つでもあるスウェット(トレーナー)。汚れても自宅で洗えて、ケアがし易い事と何よりも丈夫なので気楽に使う事ができる。CLASSのCOCKSCOMBは厚みのあるコットン100%の裏起毛した素材。モチモチしていて、暖かく気持ちが良い。一枚で着て、中にシャツを着て、コートを羽織って。少し個性的で色んな使い方が出来そうなスウェットである。Vラインと袖口リブと裾のリブはブルー、オレンジ、蛍光グリーンで冬にはそんな色が欲しくなる。着る事が楽しくなりそうな配色だ。レトロだけど、今見ると新鮮に映る。冬を楽しむ為の準備をしよう。