今年の春、北海道根室在住のジュエリーデザイナー、AVMの古川さんに新しいスペースを作ったと案内をもらい北海道に行ってきた。そこは地図には載っていない場所で、絵で描かれた地図を頼りに向かう。ちょっと不安になるような道を抜けると可愛い建物が現れ、古川さんが出迎えてくれた。
1_0 DUALISMと題し1年のコレクションを融合させ発表したPROJECTbyH.。台湾の気候を考えると日本ではほぼシーズンレスで着れるものばかり。今回はメインの素材で味わいのあるコットンシルクに”およそ100年経過した天然のインディゴの色”というお題を僕が投げかけて、それに答えて頂きました。なぜそんな色にしたのか。それはインディゴや藍は時間が経過すればする程、美しくなり、それは惹き込まれるような青だからです。その青も無数にありますが、それをPROJECTbyH.が再現したら面白い、という好奇心から依頼をしました。
日本の良いところは?と聞かれたら何と答えますか?誇らしい事に様々な答えが沢山あるのだけど(その反対に日本社会の問題は山積みだと思うのだが..)そのひとつに四季がある。冬はニットを着たいし春には鮮やかな色を着たいと思う。日本には節句という季節を彩る行事があり、そのように洋服も嗜みたい。と同時に昨今冬の期間が短くなっている。分厚いコートやダウンなんかはここ大阪では今年はまだ本格的に着ていない人も多い気がする。軽めのアウターを選ばれる方も多く、実際長く着れる。中にニットやストールや冬らしいシューズを合わせればこの10度から15度くらいの気温を楽しめる。シーズンレスやジェンダーレス、これは良い事として境界がなくなっている。どうせなら長く沢山着てエイジングを楽しんでほしいと思う。
『冬のアウターは結局軽い方が着るんですよ。』そんなお客様の言葉を思い出し、このジャケットにはHalley Stevenson社のLIGHT WEIGHTのワックスコットンを選び軽量化を意識した。そして色も選ぶ。ヴィンテージバブアーの茶味がかった褐色を目指したくて茶色にする。裏地には同系色の生地を。レザーも同色を選び統一。これで数年後、きっと素晴らしい雰囲気になる。そう確信しながら作ってもらいました。中綿にプリマロフトが入っているので保温性も抜群。着込まなくて良いダウンジャケットの様な気楽さもありながら、オンオフ使えて色々な着方を長く楽しめるのが嬉しい。生地やレザー、パーツ、作り込みがとにかく素晴らしいのだが見た瞬間、胸にグワっとくる何かがあり目を離せなくなった洋服。”欲しい”よりも”着たい”という感情が勝っていたように感じます。
お客様が『これは相当分厚いですね。細身だったら暑くて穿けないかも』と仰られるくらいにしっかりとしている。洗って着て、洗っては着て。ラフに使い込みたくなるその生地はコモリのモールスキン。ウエストはベルトループとアジャスター、フロントはジップフライ。カーゴポケットは実際に物を入れていると膨らみが出てくる。裾はドローコードがあり絞る事ができる。生地の硬さが取れ、色が褐色し、アタリが出た頃にはより快適に穿き心地と体に馴染み立体的で綺麗なシルエットになる。その過程を長く楽しめるBDUパンツ。
削ぎ落としたデザインやシンプルな使い方が魅力の内縫い折財布。ジップは内側、折り畳んだ状態だとステッチすら見えないミニマムなお財布。ジップを開いてお札を入れて、カードを突っ込んで、小銭を入れるだけ。(小銭を入れるとコインの跡が革に残るので、別にコインケースを持つのも良いです。)革はクロコダイルの中でも最高峰のポロサスクロコ。しっとりしていてとても品のある表情だ。そんなクロコの質感を最大限活かすために芯材を一切使わず、一枚仕立てで作られている。さらに内縫いでステッチが表に出ない作りなので触り心地が良い。気が付くといつも触ってしまう程。使い始めはふっくらしているが、使い込むと写真の様に収まりが良くなる。そして艶が増し、経年変化を存分に楽しめるのだ。内側にはGuidiのカーフ、贅沢でこれ以上ない組み合わせではないだろうか。内縫いカードコインケースと一緒に使うのが今の所、最適解。
カードケースサイズの小さなお財布。小銭も入りカードは無理なく10枚位は入る。頻繁に使うクレジットカードや定期などを入れておくと便利。お札は三つ折りにして最低限必要な分だけ入れておく。最近はクレジットカードやスマホで殆ど買い物が出来てしまうので、メインの財布は鞄に入れておいて、この財布を常にポケットに入れておく。個人的にもそんな使い方をしているが、あまりにも使い勝手が良いので随分と長い間これで落ち着いている。革はクロコダイルの中でも最高峰のポロサスクロコ。しっとりしていてとても品のある表情だ。そんなクロコの質感を最大限活かすために芯材を一切使わず、一枚仕立てで作られている。さらに内縫いでステッチが表に出ない作りなので触り心地が良い。気が付くといつも触ってしまう程。使い始めはふっくらしているが、使い込むと写真の様に収まりが良くなる。そして艶が増し、経年変化を存分に楽しめるのだ。内側にはGudiのカーフ、贅沢でこれ以上ない組み合わせではないだろうか。
振り切った土臭さ。この洋服を初めて見た時に脳天にくるものを感じた。元々バブアーの古いものが好きで、冬になると毎年着ている。あのオイルの抜けた感じ。擦り切れてボロボロになった感じ。重たくて個性でしかない洋服が着古されると何とも言えない雰囲気になる。それを着る事でいつまでも高揚できる。そんな洋服は中々ない。
なんとなく、ジャケットを(例えばBarbourとか)着古された物を着ているのが格好良いなと昔から思っていた。もちろんバッグや靴。帽子やパンツもなのだけど……何だかドシッとしているような雰囲気。そうなるには、長く着続けられる丈夫さと長く愛せる要素が必要だと思う。何度もリユースされながらも自分のところにきたヴィンテージはその代表ではないだろうか。
この洋服は洋服の域を遥か超えた存在なのではないか、とプロセスを聞いて感じました。ただ消費する為ではなく、所有できる喜びや、着る喜びを心から体感できる特別なジャケット。
寒い冬は常に鞄の中に入っているストールやマフラー。外に出る時にサッと巻いて、部屋でじっとしている時には肩から掛けて。それだけですぐにじんわりと暖かさがやってくる。それを最上級に味わう事ができるのがスズサンのカシミアニットのショール。首に巻き易く、肩にも掛けやすい大きさで巻いた瞬間からカシミアの優しいホワホワとした柔らかさに包まれる。上品なSILVER GRAYと差し色になるROYAL BLUE。冬の景色に自然と馴染んでくれそうだ。