ドレスシャツという定義にワークの要素が入ったこのラウンドカラーのシャツ、細かいところ(襟やヨーク部分など)が組み合わさっているから見る程に不思議なシャツ。だってボタンが四角くてメタルなんだから。身幅はスッキリしていて上にジャケットなど着やすい。ネクタイしてベストも着て、後はスニーカーでも革靴でも履いて、バイクでも自転車にも似合う。あえてM51でも(もう暑いか)気分でボタンを外してもよいし、腕をまくればまた変わる。ボトムは持っているので合わせてみると案外良いと思う。このシャツについて、あれこれ何を書こうか考えていたんだけど、シンプルに良いよね、この襟もボタンもデザインも柄も生地も。に行き着いた。で私はこれを書きながらSmall Faces のLazy Sunday Afternoonなんかを聞いている。
私たちの生活の中には名前のない物が溢れている。特に使う用途はない。しかしながら空間の時間を変えてくれるし、心を豊かにしてくれる。西浦裕太さんの作品を見た時、小説の一部のような子供の頃に頭の中で思い浮かべた想像でしかなかった世界が目の前に現れた。それがの私の最初の印象。
PERIOD FEATHERSのシャツを着るようになってからは春にシャツを着る事が特に楽しみになった。彩りや遊び心があり、いい大人も着れる上品さがあるからだ。そしてインドの職人さんたちの手仕事を見て感じられる。背景にもとても魅力のあるシャツだと思う。日本で作られたギンガムチェックの生地をインドへ送り縫製、そしてボディとカフスに手刺繍を施したシャツ。そして襟とヨークと袖は柄がバイアスになる様に、色は刺繍との馴染みが良さそうなのと、気分!で選びました。このシャツを着て、どこかへ出掛けたいな。
暑かった日に袖までもが煩わしく感じた。最近思う。夏は何を着ても暑い。しかし、やはりその中でもイチミクロンで良いから快適に過ごしたい。行き着いた先がタンクトップだった。タンクトップはまたご紹介するとして、確かにまだタンクトップで過ごすには躊躇する場もある。その時にパサっとスマートに羽織れるストール的な羽織があれば良いのになと思っていた。suzusanのカーディガンはリネンでどんどん心地よくなる。肌にまとわり付かず快適に過ごせるし、日差しを直に受けるよりも涼しい。生地や染からかsuzusanの持つ背景からか、とても”粋”な雰囲気がある。是非ノースリーブにカーディガンを。
私たちはもういい大人です。色々と制限がかかってきてしまう。”歳だし”という呪文のような言葉によって決め付けてしまっている部分も大きいけど。とはいえいい大人なのです。若造の時にいい大人から言われていた事を追いかけるように体験しているのだけど、聞かされていた通りに、急に今まで合わせていた洋服の組み合わせがしっくりいかなくなる。しかも恐ろしいのが突然やってくる。慌てるなかれ、そんな時は肌に1番近いものを改める事。単純に良い物、信頼できる物を。そして遊びが効いている物を着れば良い。そう、いい大人達が教えてくれた事柄を試してみる時がきた。麻のニットは心地よく分厚いコットンよりずっと涼しく、滑らかで肌にも優しい。着れば着るほどに心地よくなる。伝統的な技法で染められた模様が動くように色のバランスを取ってくれる。少しキリッとし過ぎたくない時なんかに中に1枚入れると風が通る。どんな時も閉ざさず、風通し良くいたい。
カーテン越しの日差しの強さやベランダの向こうに見える木々が緑色に染まっていくのを見て、季節が進んでいる事を実感する。朝と晩はまだまだコートが必要だが、日中はシャツやジャケット1枚が快適だと思えるようになった。落ち着いたグレンチェックが何とも上品なシャツジャケット。洗い晒しの麻は着る度に体にフィットしていきそうな柔らかさがあり、初めから使い古された労働着の様な雰囲気さえある。そして風が抜ける心地良さもあり、真夏でも全く問題なく使えそうだ。フロントのスナップボタンや小ぶりな襟、裾のラウンドした作りなどジャケットの様なシャツの様な・・・絶妙なバランスを保っている洋服だと感じた。
最近、異国のドレスを買った。とても深い黒い生地に赤い刺繍が大胆に施されている。そのルーツが知りたくなり、”THE WORLD HISTORY OF DRESS”という本を買った。そこには世界の民族衣装の説明が写真とともに掲載されている。うっとりする程の鮮やかな生地に刺繍。贅沢に使われた生地。気候や宗教、色々な背景の元使用されたデザインが興味深い。ワークウエアでもミリタリーでもない、”それ”は日常着でもあり正装着でもあり、”それ”を着る人たちもまた魅力的だった。私たちが着ている服のルーツはその辺りにある。RAJASTHAN PARKAは滑らかな、しっとりした生地。デザインは決して着やすいモノではないのだけれど、こういう類いのものは、着る度に発見と課題をくれる。それに、好きな洋服って何度も着るからどんどん馴染みその人らしくなる。要するに、自然な自分が表現される。だから好きな洋服を見つけてください。毎回、Omar Afridiの洋服が並ぶと、なんとも贅沢な空間にいる心地になる。どこかの国の人が日常にあるいは正装の際に着用した”それ”のように贅沢に生地を使いデザインされ、プロセスがあり作られている。
いつも同じ味だと飽きてしまう事がある。例えば途中から薬味を加えたりすると風味が変わり違った美味しさを楽しめる。このパンツはその日の気分やコーディネートに合わせてそのまま穿く、或いは裾を絞る、そしてジップを開いてフレアパンツの様にズルッと穿くことができ、色々な洋服と組み合わせていく内に、新たな発見があるのではないかと感じた。だからこそ、このパンツが気に入ったのなら沢山穿いて欲しい。きっと二年後、三年後の印象が変わっていると思う。